2016年1月15日
相続が発生すると,各種の名義変更手続をすることになりますが,その種類は大変多く約90種類もあります!
また,それぞれの手続ごとに少しずつ必要書類が違うので大変複雑になっています。
手続が必要となるもののうち,主なものは以下のものでしょう。
不動産
銀行預金
株券等有価証券
生命保険
損害保険
社会保険
年金
自動車
相続税等税務申告
必要な手続は人によって違いますので,相続の準備も人によって変わってきますが,
共通していることは,相続の準備には時間がかかることです!
相続の準備は,「知っている」,「知らない」が結果を大きく分けることになります!
ですから,ご自身だけで勉強するよりも,信頼できる専門家を味方に付けることが大事です。
相続の準備を始めるのに一番難しいことは,最初の一歩を踏み出すことなのです。
0から1にするのは,1から2にするよりもずっと難しいのです。
ですから,まずは気軽に始めてみましょう!
前回でお話ししたとおり,準備の第一歩は遺産全体像の把握をすることです。
その後で,どのように分配をすべきかを考え形に残すことです。
口答で言い残しておけば十分だろうと思ってしまいがちですが,口答では法的根拠がないばかりか,家族ごとに言っていることが違ったりするとトラブルの元になりかねません。
高齢者の方は年齢と共に迎合傾向が強くなると言われており,家族に嫌われないように振る舞うことがあるのです。
オススメの方法は,「遺言書」の作成です。
遺言書を書くときのポイントは,「平等感」よりも「公平感」に配慮することです。
遺産を継がせたい「理由」や「想い」を附言事項として,きちんと書き残しておきましょう。
例えば,同居介護をしてくれ,今後法事を取り仕切ることになる長男に多く配分するとかですね。
言ってみれば,「遺言」は相続準備の万能プレイヤーのようなものです。
手続を円滑に進めるために,遺言者の想いを受けて手続を代行する「遺言執行者」の指定も忘れずにしておきましょう。
相続対策は一度やればもう十分だと思うかもしれませんが,そうではありません。
亡くなる直前の生前贈与は,相続税対策上は無駄になることがあります。
また,相続税などの税制もよく変わるので,せっかく準備しても,意味がなくなることも・・・。
つまり,「メンテナンス」が必要で,一度で終わりというものではありません。
さて,最後に相続対策で最も大切にしなければならないことをお伝えします。
単純すぎて,意外に思うかもしれませんが,
「円満な家庭生活」
これこそが,実は最も大事なことです!
日頃から家族みんなで,亡くなった後のことを話し合っていれば,「遺言書」を見て驚くことも,不満を覚えることもないでしょう。
遺産を分割する場合でも,それぞれの家庭の事情に応じた,納得のいく手続が速やかにできるはずです。
さあ,早速,これを読み終わったらご家族と「相続」の話をしてみたらいかがでしょうか?