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相続登記・名義変更

相続不動産の名義変更

不動産の所有者である被相続人が亡くなり相続が開始すると、相続人に不動産の所有権が移転します。しかしながら、その不動産の自分の名義に変えるには、相続登記の手続きをしなければなりません。相続手続の中でも、「相続登記」といわれる不動産名義変更手続は相続人がご自身で行うにはなかなか面倒で、ほとんどの方が専門家である司法書士に依頼をします。
実際、相続登記をせずに亡くなった方の名義のまま、固定資産税等の各種税金を払い続けている相続人も少なくありません。
相続による不動産の名義変更は、その遅滞によって罰則が科せられることはありません。ただ、『相続人であった者が死亡し、さらに相続人の数が増えてしまった・・・』 というような状況が起こり、その結果、遺産分割協議でトラブルになるという事例もたくさんあります。
不動産を「相続人中の1人の単独とする場合」等には必ず、相続人全員で遺産分割協議をしなければなりません。遺産分割協議が完了しないままでは、相続した不動産を売却するだけでなく、不動産の名義を相続人名義変更することすらできないのでご注意ください。
『相続登記は別にしなくても罰せられるわけじゃないし、いつでもいいや』と思われる方もいらっしゃると思いますが、トラブルになってからは遅いのできちんと相続登記をしましょう。できる限りお早目の名義変更手続をお勧めいたします。
どうしたらよいかおわかりにならない方は、ぜひお問い合わせください。

不動産の名義変更の手続きの流れ

  1. 戸籍等遺産分割協議に必要な書類の収集
  2. 遺産分割協議の終了
  3. 登記に必要な書類の収集
  4. 登記申請書の作成
  5. 法務局への登記の申請

1.登記に必要な書類の収集

登記に必要な書類は、どのように遺産分割の協議が行われたかによって、用意する書類が異なってきます。

法定相続人が一人の場合または法定相続分で相続をする場合
  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 法定相続人の戸籍謄本
  • 法定相続人の住民票
  • 相続する不動産の固定資産税評価証明書
遺産分割協議で決めた割合で相続をする場合
  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 法定相続人の戸籍謄本
  • 法定相続人の住民票
  • 相続する不動産の固定資産税評価証明書
  • 法定相続人の印鑑証明書
  • 遺産分割協議書

2.申請書の作成

登記の申請書を作成する場合の詳細は、状況によって複雑に変化します。司法書士に依頼する方が、正確かつ速やかに実行できることでしょう。

3.登記の申請

登記の申請書に集めた書類をまとめ、相続する不動産を管轄とする法務局に登記申請をします。提出した書類に不備がなければ1週間程で登記が完了し、不動産の名義が変更されたことになります。

4.登記の費用について

登記を申請する際には税金(登録免許税)の納付が必要になります。その際必要になる税金(登録免許税)は固定資産税評価証明に記載されている不動産の価格に1000分の4を乗じた価格となります。

相続によって手続が必要となる主な財産

相続が発生すると、各種の名義変更の手続が必要になりますが、どの手続もそれぞれの名義変更に対する考え方が違うため、それぞれ手続方法が違い、また、それぞれが違う必要書類を要求するため、大変複雑な手続になっています。
また、いろいろな遺産の名義変更を、大変な思いをしてなんとか済ませてから、最後に不動産登記手続をと当事務所にご依頼いただく方も多いのですが、早い段階から専門家の関与があった方が、早く無駄のない手続を進めることができますので、早い段階から専門家に依頼をしたほうがよいでしょう。
当事務所にご相談いただく際には、下記の書類をご用意いただいた上で、ご相談いただきますと、その後の手続がスムーズになると思います。

ご相談いただく際の必要書類

  1. 被相続人の戸籍(除籍)
  2. 被相続人の住民票(除票)
  3. 相続人の戸籍(相続人全員でなくとも結構です)
  4. 被相続人の住民票
  5. 市町村役場発行の固定資産税台帳いわゆる「名寄帳」
  6. 登記済権利証(なければ結構です。)
  7. その他預金通帳等名義変更が必要な遺産の内容が分かるもの

必要な手続

銀行預金

実はこれが一番大変で、各銀行・金融機関によって、申請書類と必要書類の範囲がすべてと言っていいぐらい違うため、一般の方がもっとも戸惑う手続です。各銀行・金融機関の手続に精通した専門家におまかせください。

生命保険

こちらは主に保険金の請求をすることになるのですが、保険金については、大概が保険会社毎に専属の担当者がいるため、案外簡単です。保険証券と担当の方のお名前・ご連絡先をまずお調べください。

損害保険

こちらも保険金の請求をすることが多いのですが、問題になるのが、建物の火災保険や地震保険です。名義変更で可能だとする会社と、保険契約を一旦解約してから新規契約とする会社の両方があるようです。

社会保険

正直に言って、非常に複雑です。基本的に請求主義であるため、こちらから出向かないと絶対と言っていいほど手続は進行しません。国民健康保険であれば、市役所・町村役場が窓口です。健康保険であれば、事業主が社会保険事務所もしくは健康保険組合に申し出ることで行います。

年金

こちらも社会保険と同様非常に複雑です。国民年金であれば、市役所・町村役場が窓口です。厚生年金であれば、事業主が社会保険事務所もしくは健康保険組合に申し出ることで行います。

株券等有価証券

株券については、上場株式の場合は、必ず取引証券会社がありますので、その窓口を経由して名義書換をします。非上場株式の場合には、直接会社に対して、名義書換請求をしますが、通常非上場株式を保有する場合には、会社と何らかの接点があるはずですので、会社側と意思疎通を図ることは難しくない場合が多いです。
なお、2009年1月から、上場株式については株式の電子化がされています。そのため、手元に株券がないことから、株式を保有していることに気づかない場合があります。郵便物に注意をして、証券会社からの通知書などが来ていないか注意する必要があります。

相続税等税務申告

相続といえば、「相続税」というほど、手続が必要なものとして一般的にも浸透していると思いますが、相続税の申告は、相続税の申告義務がある場合にだけ手続が必要となります。
相続税は、実際には基礎控除額が大きいため、一般の方には関係のない手続となっていてますが、相続税関連法案について大幅な改正も予定されているので注意が必要です。統計的には、全体の5%程度の方に申告義務があるようです。申告期限は、相続開始後10ヶ月以内となっています。
相続を原因とする税務申告には、「相続税」だけではなく、実は所得税の申告もあります。これを「準確定申告」といいます。こちらの方が相続税より申告期間が短く、相続開始後4ヶ月以内となっています。

家庭裁判所

家庭裁判所で必要な手続の主な場合は、「相続放棄申述」です。そのほかには、資産分割協議が整わない場合に、調停や審判の手続を行います。どちらにしても、相続手続の際に必ず必要となるわけではなく、実情に応じて必要な場合にだけ手続を行うことになります。

不動産登記

不動産を所有している場合には必要となる手続で、管轄する役所は法務局になります。不動産登記については、期間制限がないため、長期間手続をしないままになっている場合も多いのですが、時間がたつほど証拠が散逸し、また関係当事者の数も増えていくので、早めの手続をお勧めします。

自動車

名義変更等の手続は、陸運局で行います。所有者が死亡した場合には、相続による「移転登録」、使用者が死亡した場合には、「使用者変更登録」になります。